コロナウィルス感染防止対策として、CM業界でも広がるリモート撮影。タレントの元へ撮影機材を送り、自宅で自らが撮影…そのように制作されるCMが増えてきた。本記事ではその一部を紹介していく。

◆黒木メイサ＜タカミ＞

黒木メイサさんが出演している、コスメブランド「タカミ」のキービジュアルは、黒木さんの自宅でリモート撮影。自宅に機材一式を送付し、スタッフと画面越しにコミュニケーション。カメラや照明、本格的な機材の設営や撮影ポージング、衣装選びなど、全て黒木さん自身が対応。

そしてリモート撮影でありながら、全長約6mの広告にも使用できるほどの高画質の作品を制作することに成功した。

公開されたメイキン動画では、黒木さんのリモート撮影の様子が見られる。「こっち？」とスタッフと会話しながら機材準備をする黒木さん。「メイク・ヘア・服も自分で用意をして、ちゃんと中に入って企画に参加させてもらえたとすごく感じられて、嬉しかった」と撮影についてコメント。

「普段の撮影とはまた違うモードで取り組ませてもらって、『逆に大丈夫かな』って思うくらいリラックスしながら撮影させてもらいました」と、自宅でのリモート撮影ならではのエピソードも明かされた。

◆乃木坂46 齋藤飛鳥＜bitFlyer＞

bitFlyerのイメージキャラクターに就任し、新CM「知ってます？」篇に出演中の齋藤飛鳥さん。自宅にて行われたリモート撮影は、まず齋藤さんの元へ機材一式を送付。カメラのセッティングやマイクテストなどを自分で行い、さらにメイクや衣装も自前のもので行われた。

齋藤さんは「テレビ CM を自宅で撮るっていうのが私は初めてで、そういうテレビ CM を見るのもなかなか無いなと思うので、新鮮ですごい楽しかった」とコメント。

難しかったこととして「機材がたくさん届いて、全部自分でカメラとかマイクとかをセッティングして、さらにリモートで監督さんやスタッフさんとやり取りするために画面を繋ぐなど色々なセッティングがあったので、それを一人でやるのがちょっと難しかったです」と振り返っていた。

◆山之内すず＜ミニストップ＞

山之内すずさんが出演中のミニストップの新商品「タピオカプリン」TVCM。こちらもリモートでの撮影だ。山之内さんは、タピオカプリンの原材料や撮影に必要な最小限の機材を受け取り、撮影機材のセッティング、撮影自体ももちろん、タピオカプリンを作る工程も山之内さん自身で行った。

撮影・声の収録はスマートフォンで実施されたが、山之内さんはTikTokやYoutubeで多数動画投稿していることもあって、撮影クオリティは高かったそうだ。

◆汐谷友希＜ポカリスエット＞

大塚製薬のスポーツ飲料「ポカリスエット」。新CMヒロインに選ばれた汐谷友希さんが登場するCMも、リモート撮影だ。本CMは、4月10日に公開。CM業界では異例の速さで作られたリモートCMということもあって、「新たなCMの形だ」と話題を呼んだ。

本CMは、汐谷さんら出演する中高生がリモートで合唱するという内容。出演者全員が自撮りした動画を、編集で一本にまとめる形で作られた。

◆つのだ☆ひろ（森永乳業）

森永乳業の「ピノ」。つのだ☆ひろさんもリモート撮影にチャレンジした。こちらのCMは、渋谷のスクランブルスクエアにある巨大ビジョンにて放映されている。

さらにリモートCM制作について、実際に取り組んでみて感じたことを森永乳業の担当者がnoteにてまとめている。制作の裏側を知ることができる、貴重な記事だ。

https://note.com/morinaga_pino/n/n1bee9236d294

◆増えるリモートCM

今後も増えてくるであろうリモート撮影のCM。求められるタレントの条件に「自分で撮影できる」という項目が加わってもおかしくはない。芸能界のYouTube進出には、活動の場を広げるというほかに、セルフ撮影力を上げるという役目もあるのかもしれない。