俳優デビュー25周年を迎えた上戸彩さんが15年ぶりの写真集を発売する、と聞いた編集部。浅からぬご縁があると思っているCMNOWとしては見逃せない。というわけで、発売を控えた上戸さんに今の心境を聞いてみた。
ーお久しぶりです、CMNOWです。
お久しぶりです。本当にいつも現場でご一緒していましたよね、とても懐かしいです(笑)。
ーちょっとご無沙汰してしまっておりました。…あらためまして写真集の発売おめでとうございます。まずは単刀直入に、一番印象的だった撮影のエピソードを教えてください。
何十年ぶりの台風が、その日(撮影予定日)に直撃しそうということで、もしかするとスケジュール通りに帰ってこれないかもしれない…という話からです(笑)。子どももいるのでそれは困る…ということで、撮影日程を1日短縮し、台風から逃げるように帰国しました。撮影が1日短くなってしまった分「もう今ここで撮れるもの、撮れる衣装でやれることをやっていきましょう」と、そういうのを楽しめるチームでした。百戦錬磨で色んな経験をされてきている方々なので「そういうのいいね!もうどんどん楽しくやっちゃおうぜ!」みたいなノリで、一致団結した撮影がとても楽しかったです。
ー撮影を担当した川島小鳥さんとはこれまでご一緒されたことはありましたか?
初めてだったんです。今回、写真集を出すにあたって色んな方の写真集を見て勉強させていただいて、綺麗に撮ってくださるカメラマンさんもたくさん知っているんですけど、そのなかで川島小鳥さんに撮っていただく自分の写真集はまったく想像がつかなかったので、ぜひお願いしてみたいと思いました。小鳥さんを検索したら『未来ちゃん』が出てきて、初めて「あ、『未来ちゃん』を撮ってる人が小鳥さんなんだ!」と。すごく好きな写真集だったから「こんなに子供の無邪気な姿を撮れる人は素敵な人に違いない」と思って、ぜひお会いしてみたいと思いました。
シャッターを切る枚数が少なめで、「今、瞬きしていたら絶対背景が綺麗なのに私が台無しにしてしまっていたらどうしよう」と心配になったりもしたんですが、写真を何枚か見させてもらったときに、大口を開けて笑っている写真がすごくたくさんあって安心しました。
ー今回の写真集の撮影に臨むにあたり、普段と意識の違いはありましたか?
「こういう衣装で、こういうモードで。こういう感じのテンションで」というオーダーがある撮影も多く、私自身はどちらかというとそういう方が得意なんです。「上戸彩として自然に撮る」となった時、とても不安でしたが、結果的にスタッフみんなで一緒になってこの写真集を作れたんだなと思っています。メイクさん、スタイリストさん、ディレクターさん、みんなで和気あいあいとした台湾での空気を、小鳥さんが収めてくれたっていう感じですね。
ーありがとうございます。ロケ地は台湾とのことで、撮影中一番美味しかった食べ物は?
いっぱいあるんですけど、一番と言われたら最後にみんなで食べたあのビーフン! 美味しかったです。何味なんだろう…台湾の味です!(笑)あと、おこわです。母親が作ってくれるおこわの味と、食材も全部一緒でびっくりしました。そのレシピは結構老舗のお店のものだったみたいなんですけど、「そのレシピで作れる人ももうほとんどいないんだよ」とお店の方にも言われるぐらいだから、母親が作るおこわは台湾の味なんだなぁって思いました。
ー母親の味、いいですね。上戸さんがデビュー25周年を迎えられます。女優としての表現は、この年月を経ることで変わりましたか?
うーん、難しいですよね。 やっぱり経験を積んでしまうと、色々なテクニックなども見えてしまって、シンプルなお芝居が逆に難しくなってきているというのが本音です。(色々なものを)どう削っていけるかの勝負だと思っています。それが今のお芝居になってるかなと思うし、やっぱり時代とともにセリフの言い回しや発声の仕方も変わっているんだというのも、今の作品を見て感じます。今の若い俳優さんが演じているようなお芝居もできるようになりたいなとも思っています。
ーそれは若い俳優たちを見て、そういうふうに感じていらっしゃる?
セリフの話し方なんかも、実際にしゃべる時の話し方に近くて、自然さを極めていくと、今の役者さんがやっているお芝居って本当にそうなるんだなと感じます。自分が育ってきた時とまた異なっているので、あらためてそう感じますし、そういうことも含め、幅広いお芝居ができる人になりたいなと思います。
ー定番の質問となりますが、でてみたいCMを教えてください。
ナチュラルなコマーシャルをやりたいです。 マネージャーさんともよく話すんですけど、映画や作品を撮っているみたいなCM。時々目にするんですけど、私はあまり経験がなくて。上戸彩としてではなく、ただ役としてそこに存在しているような、そんなコマーシャルを経験してみたいです。でも、本当に昔よくやっていた着ぐるみやちょっとコスプレちっくなCMもやっぱりあの年齢でできてよかったなって思っています。
ーパンダだったり、箒に乗って空を飛んだり!
パンダの着ぐるみを着たCMとか、本当にいい思い出です。当時のマネージャーさんが「こんな企画が来たよ!」「え、やりたい!」みたいな。この経験のおかげで、着ぐるみを着てお仕事されている方を見ると、本当に休憩を入れたくなります。「冷房をお願いします、もう15分休憩入れましょう」と、そういう人の気持ちも分かるようになりました(笑)。
ー最後に、あらめてこれから写真集を手に取っていただく方に、ここに注目してほしいというポイントをお願いいたします!
みなさん、私のいろんな顔をご存知だと思うんですけど、小鳥さんが撮る、被写体だけでなく背景にもちゃんとピントが合っているというか。「そういう背景の中に私が存在している」という写真集は、今回が初めてだと思うので、また違う新たな1面が生まれたと思っています。15年ぶりの写真集となりますが、みなさんの目にも刻んでもらえると嬉しいです。
【PROFILE】
うえと・あや1985年9月14日生まれ 東京都出身 O型 身長162cm
2025年7月10日に15年ぶりの写真集「上戸彩写真集 Midday Reverie」を発売。また、9月26日公開予定の映画「沈黙の艦隊 北極海大海戦』に出演。https://www.oscarpro.co.jp/talent/ueto/
衣装協力=サカイ(ブラウス、スカート)
(テキスト:清水寧馨)