タカラトミーが販売するフォトジェニックドール「L.O.L. サプライズ!」シリーズの新CMが話題だ。「パロディ」編と題したそのCMは、L.O.L. サプライズ!のドール劇が展開。ドールたちがイスにメガネを置いてお尻で踏むなど、どこかで見覚えのあるシーンが続く…そう、ハズキルーペのCMだ。

◆「ハズキルーペっぽい」と話題に

ネット上でも話題となっており、「タカラトミーのCMを観ていたと思ったら完全にハズキルーペだった」「タカラトミーのCMがハズキルーペっぽくてお茶吹いた」「タカラトミーがハズキルーペのCMをめちゃくちゃ意識していて困惑」「タカラトミー攻めすぎw怒られるよこれw」などの声が上がっている。

◆タカラトミーに直撃

内容をそっくりにオマージュしたCMだが、ハズキルーペから怒られてはいないのだろうか。CMNOWは、タカラトミーのマーケティング担当者に直撃してみた。

まずはCM制作背景について。担当者は、TVCMという短い時間で、どうやったら幅広い世代に「L.O.L. サプライズ!」の魅力を伝えられるかを考えている中で、「『大人だけでなく子どももこぞって真似するくらいにインパクトがあり、色んな世代の方が知っているハズキルーペさんのCM』が思い浮かびました」という。

そんなタカラトミーから、オマージュCMの相談を受けたハズキルーペ担当者はこう言ったそうだ。「私たちのCMは子どもを含めあらゆる世代の脳裏に残っています。せっかく制作するのであればとことんやりきって面白いものにした方が良い」。怒られるどころか、むしろ乗り気とも言える返答だった。

そしてCM制作。ハズキルーペのCMをとことん再現し、オマージュだとすぐ認識できるような演出にこだわった。さらに「『L.O.L. サプライズ!』の持つオシャレでかわいい印象のCMの中に、突然ハズキルーペさんのオマージュが入ることで、視聴者に『え？？！何これ？！』と思わせる、名前通りの『サプライズ』もプラスしています」とも。

違和感を味方につけた演出は功を制した。

ネットで公開された60秒動画はすでに100万回再生を突破（8月30日時点）するなど大きな反響を呼んだ。話題になっていることに担当者は、「実際にSNSなどの反応を見て、認知の広がりも感じています」と確かな手応えを感じている様子だった。

https://www.youtube.com/watch?v=JnHH9nJIkrQ

◆多くの視聴者を魅了する「L.O.L. サプライズ!」シリーズCM

「L.O.L. サプライズ!」シリーズは、2018年７月の日本発売から1年間でシリーズ累計出荷数330万体以上を突破（2019年7月31日時点）しており、すでに日本での「サプライズトイ※」ブームを牽引する存在となっている。

それでもなお、この攻めたCMを世に送り出したタカラトミー。『L.O.L. サプライズ!』シリーズに詰め込まれた遊び心が、メガネを「きゃっ」と踏むドールたちと重なり、観ているこちらもワクワクしてくる。

「ハズキルーペさんのオマージュCMが入口となり、もともと興味のなかった人も含め、幅広い世代の人に興味を持っていただけて大変嬉しく思っています」と担当者。筆者もその言葉通り、甥っ子にどの「L.O.L. サプライズ!」シリーズをプレゼントしようか、迷っているところだ。

（※）サプライズトイ…（1）開封するまで中に何が入っているかが分からない、（2）驚きの要素、（3）コレクタブル（コレクションできる）が揃っている玩具。