トミー・リー・
とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズが、
観光課の職員になりすました“宇宙人ヒラテ”
■TC-CMストーリー
とある町役場の観光課にて。課長の役所さんが企画書を眺めながら「こんなアイデアじゃ観光客なんて来ないよなぁ…」と嘆いていると、部下の平手さんが「町、歩いてみます?」と提案。その言葉に同意し、「クラフトボス」を持って町に視察へ出かける。
人通りの少ない商店街を気持ちよさそうに歩きながら「クラフトボス」を空にかざし、「あ、コレ、イラスト入ってますよ」と役所さんに話しかける平手さん。すると、役所さんが「あ、なんだ? あれ?」と、何かを発見。視線の先の休耕地には、何と銀色の円盤がオブジェのように直立していて、うっすら煙が上がるその物体を、いまいましそうに蹴っているジョーンズの姿が。「あ、アートじゃないですか?」となぜか慌てている平手さんの声を背に、役所さんはどんどん謎の物体に近づいていき、「UFOみたいだ、アチッ」と危うく火傷しそうになりながらも、興味深そうに観察し始める。
その姿を横目に、迷惑そうなジョーンズ。ふと視線を感じて振り返ると、平手さんが腕を組んで仁王立ちしていて、ジョーンズを睨みながら「どういうこと?」と詰問する。あまりの剣幕に、ジョーンズが顔を背けながら「操縦ミスです」と答えると、「クラフトボス」を飲んだ瞬間、「ひらめいた!」と何やら町おこしのアイデアを思いついた役所さんの声が聞こえてくる。
後日、UFOの町として再生した街には、UFOや宇宙人感を全面に押し出した店名や看板がずらり。大勢の観光客で賑わう商店街の一角で、役所さんがパンフレットを配りながら「UFOの町へようこそ!」と声を張り上げ、急ごしらえの宇宙UFO博物館や宇宙人フェス仮装大会などの施設やイベントもすっかり大盛況の様子。そんな中、上空に謎の光点を見つけて「ホンモノキター」と指差し、大騒ぎする観光客たち。画面が上空の光点に切り替わると、UFOに座って賑わう町を眺めていた、平手さんならぬ“宇宙人ヒラテ”が「活動しにくくなったわ…」とボヤいています。それに対して、操縦席から「スミマセン」と謝るも、「クラフトボス」を飲みながら、満更でもなさそうな表情のジョーンズ。「この惑星で、宇宙人ヒラテに叱られるのは、嬉しい」と心の中でつぶやきます。
◇役所さんが撮影準備中にひらめいたユニークなアイデアを本編に採用!
役所さんが墜落したUFOに近づいて、興味深そうに観察するシーン。ここでは、役所さんが監督に「UFOに触った時、『アチッ』て言わなくていいですか? コンテを見たら煙がシューッと出てたので」と、自らの演出プランを提案する場面があった。「あ、それはいいアイデアですね」と同意した監督の前で、役所さんは大声を上げたり、大げさなぐらい熱そうな仕草を見せたりなど、さまざまなパターンの演技を披露。OKが出た後、「監督がどれを選ぶのか楽しみだなぁ」「もしかして、カットになるかも(笑)」と話していた役所さんだが、墜落直後の臨場感を演出するコミカルなセリフとして、本編に採用された。
◇宇宙人と人間のキャラを瞬時に切り替える変幻自在のお芝居で現場を魅了
「地球調査シリーズ」初出演にして、観光課の職員になりすました地球調査中の“宇宙人ヒラテ”を演じた平手さん。ある意味一人二役の難しい役柄だけに、撮影前はやや緊張の面持ちを浮かべていた。それでも、いざカメラが回り始めると、瞬時におだやかな顔つきに変わり、お芝居に集中。初共演ながら「隣にいて、とても優しいオーラを感じていました」という上司役・役所さんの好リードも相まって、OKテイクを連発していた。一方、宇宙人ジョーンズと対峙するシーンでは、操縦ミスをやらかした同僚を腕組みしながら睨みつける強面キャラに一変。あの宇宙人ジョーンズもまともに目を合わせられないほど、堂々たる存在感を放ち、現場を大いに盛り上げていた。
◇世界的なUFO事件を彷彿とさせるストーリーにジョーンズさんも興味津々
撮影に当たり、監督から今回のCMについて説明を受けたジョーンズさん。ストーリーを聞いた途端、「ニューメキシコ州のロズウェル事件(※)みたいだね(笑)」と、かの有名なUFOのニュースと重ね合わせ、楽しそうに微笑んでいた。大地に突き刺さったUFOに蹴りを入れるシーンでは、「うまくできるかな~?」と心配そうな表情でカメラ前に立ったジョーンズさんですが、いざ本番がスタートすると、まるでエンストした車に怒りをぶつけているかのようなお芝居で現場を釘付けに。カットが掛かると、スタッフの皆さんから笑い声が聞こえてきて、監督も「面白い!」と絶賛の声を上げていた。
※1947年、米・ニューメキシコ州の町・ロズウェルで墜落したUFOが、米軍によって回収された事件。このニュースをきっかけに、片田舎の町が一躍世界的なUFOの聖地となった。
■役所広司さん、平手 友梨奈さん、トミー・リー・ジョーンズさんインタビュー
―初めてクラフトボスのCMに出演した感想をお聞かせください。
【平手さん】:宇宙人ジョーンズシリーズのCMは最後のナレーションが特に印象に残っていて、お話をいただいた時、今回はどういったストーリーや内容になるのかなと楽しみにしていました。観光課の職員から宇宙人になる時、髪型やメイク、衣装でどこまで差をつけられるか、そして宇宙人らしく異質な感じにできるかなどを、事前にクリエーターの皆さんとディスカッションでき、とてもありがたかったです。今回の撮影は一人ではなく共演する方もいらっしゃったので、その部分で新鮮さを感じましたし、あっという間に一日が終わりました。
――役所広司さんと共演したCM撮影はいかがでしたか?
【平手さん】:とても優しい方なのだろうなというオーラを隣で感じながら撮影していました。ひとつひとつのシーンが全部つながった時、どんな映像になるのかがとても楽しみですし、早く見たいなという気持ちです。観光課の職員と宇宙人の二役で、見た目がガラッと変わるので、その辺りに注目していただきたいと思います。
――今回の撮影で印象に残ったシーンをお聞かせください。
【ジョーンズさん】:一番好きなのはUFOで事故ったというシーンです。ジョーンズは飛行能力とか透視能力とか、普通の人間にない能力があるにもかかわらず、自ら操縦したUFOが田んぼに突っ込んだという事実がすごく気に入っていて、とても印象に残りました。
――役所さんの「ひらめいた!」というセリフにちなんで、「ひらめき」が必要な時にしていることは?
【役所さん】:散歩ですね。何かアイデアがひらめく時というのは、家の中で台本に向き合っているよりも、ちょっと気分転換している時の方が多いので、1時間ぐらいウォーキングや散歩をします。やっぱり外に出ると視野が広がるし、リラックスしますからね。
【ジョーンズさん】:先に準備することでしょうか。何かが降りてくるとか、魔術的なことは何もなくて、方法は準備以外にありません。とにかく準備をまめに細かくすればするほどいいと思います。
――仕事がにっちもさっちもいかなくなった時、気持ちをリセットさせるとしたら、どんなところへ行ってみたいですか?
【ジョーンズさん】:日本のCM制作で大変な時、ちょっと静かなところに行きたいということであれば、キャンピングカーの旅がいいですね。1960年代の古いキャンピングカーはとても味があって、居心地がとても良いので、リフレッシュできます。
――出会いや別れの季節の春、3月に放送される新CMにちなんで、出会いや別れにまつわる印象的なエピソードをお聞かせください。
【役所さん】:公務員だった時に出会った同期で、仲の良かった4、5人と、最近SNSでつながって、時々昔話をしていますが、バラバラに別れてそれぞれの人生を歩んだ仲間たちと、もう一度交流できるなんて、つくづく便利な世の中だなと思います。出会ってから50年ぐらい経ちますが、大寒波が来て大雪で大変だった時は、東北の人もいるので、みんなで心配しました。お花見の話とか、みんなでいつか旅行したいねという話はいつもしていますが、なかなか実現していません。
――この春、クラフトボス片手に出かけたいところは?
【役所さん】:お花見ですね。気分よく春の訪れを感じながらクラフトボスという感じでしょうか。僕たちがよく目にする、東宝撮影所の川沿いの桜はいつ見てもきれいだし、東宝の照明さんがライティングしてくれることもあって、それは素晴らしい桜だなと思います。川に枝垂れている桜は本当にきれいですよね。
【ジョーンズさん】:春の計画はもう立てていて、まだ場所は考えていないのですが、釣りに行きたいですね。
――この春、新たに挑戦したいことは?
【役所さん】:映画の撮影で陶芸をやった時、その道具を全部もらい受けて、家でいつでもできるような状態にしてあるんですけど、まだ手を付けていないんですよ。だから、今年の春はちょっと暖かくなったら、土をこねてみようかなと。僕たちは仕事のほとんどが、いろんな人間を演じるわけですから、作品ごとに毎回毎回いろんなチャレンジをしているというふうにも言えるような気がします。
――CMをご覧になる視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
【役所さん】:宇宙人ジョーンズがUFOに乗ってやってきます。相変わらず面白いジョーンズさんですが、さて平手さんは地球人なのか、宇宙人なのか。CMをお楽しみに!