10月10日発売のCMNOW vol.207にて、文学作品をテーマにしたグラビア企画「文学と美少女」がスタートします!第一弾は吉田莉桜ちゃんが、田山花袋の「蒲団」のヒロインに扮して登場してくれました。本記事では、その舞台裏を担当編集・片柳が告白します。
(C)時永大吾/CMNOW
CMNOW読者なら聞き馴染みのある「ゆかたと美少女」シリーズ。その続編は、「文学」です! 実は編集部には文学好きのメンバーも多く、時々文学妄想を繰り広げていたのですが、グラビアで撮っちゃう?なんて盛り上がっていたら、なんと実現してしまいました(笑)。
決まったはいいけど、作品はどうしよう…う〜ん…「純文学の“己の叫び”!を写真に落とし込みたい」なんて話もあり、第一弾ということで、私小説のはしりとも言われる田山花袋の「蒲団」だ! と勢いで決定。恋愛を“におい”で表現する独特な世界観、たまりませんね。
続いては誰にヒロインになってもらうか。中年男性が、10代の美少女に恋する内容、明治後期の面影を感じる美少女…などなど考えを巡らし、彼女がぴったりだ! と吉田莉桜ちゃんに声をかけさせてもらいました。
(C)時永大吾/CMNOW
◆準備編〜蒲団が…ない!?!?
「蒲団」は、クライマックスにタイトルにもなっている「蒲団」が登場する印象的なシーンがあります。ヒロインの芳子が使っていた蒲団の詳細が明らかになるのですが、そこには「萌黄唐草(もえぎからくさ)の敷蒲団」という文字が…。
もえぎからくさ?? なんだそれは!?
細部までこだわりたい私は、絶対に「萌黄唐草」の敷布団を用意すると心に決め、「萌黄唐草」を探す旅に出たのでした。
「萌黄唐草」をネットで調べてみると、「萌黄=黄緑色」「唐草=つる草のはいまわる様子を図案風に描いた模様(Oxford Languagesより)」らしい。唐草はドロボーの風呂敷の柄なので分かりやすい。唐草柄の生地をネットショップで探してみたら、次々と出てくる。「お、簡単に買えるな」と思っていたが…「黄緑色」の生地は全然見つからない!
生地屋に問い合わせても「黄緑色?ないですね」とどこにも売ってない。くそぉ、悔しい!諦めたくない! そんな気持ちでネットショップの海を漂うこと数日……つ、ついに見つけた!想像よりもちょっと濃いけど、いいんじゃないか!と即購入。必死に探した「萌黄唐草(もえぎからくさ)の敷蒲団」は、実際に誌面で確認してください!!
しかし、それだけで終わらなかった。「蒲団」を読み進めると、こう続いていきます。「萌黄唐草の敷蒲団と、線の厚く入った同じ模様の夜着とが重ねられてあった」。
同 じ 模 様 の 夜 着 !!!!!!
目の前が真っ暗。
(C)時永大吾/CMNOW
◆衣装は…?
衣装は、スタイリストさんに「海老茶袴」と「明治後期の面影を感じるシュミーズ」とけっこう無茶なオーダーをしました…スミマセン。こちらも中々見つかられなかったのですが、撮影数日前にスタイリストさんから「これで大丈夫ですか!?」と手に入れた衣装の画像が届きました。
…完璧だ。ブーツも履いてるぜっ。
(C)時永大吾/CMNOW
◆カメラマンが世界観を表現!
撮影は時永大吾カメラマン。「美少女に熱を上げる主人公の変態性の高い目線」とオーダーし、事前に「蒲団」を読んできてくれた時永カメラマンは、「主人公とヒロインの関係性を表現するためには『距離感』を意識することが重要」と考え、撮影中は莉桜ちゃんとあまり会話をせず、寡黙に撮影。
私たちがイメージした世界観を見事に表現してくれました。(詳しくは本誌P.81で、カメラマン目線で裏側を語ってくれています!)
◆莉桜ちゃんが表現する「蒲団」
そして莉桜ちゃんには撮影前にあらすじを伝え、ヒロインの芳子のイメージをしっかり共有。「大丈夫かな?」と不安げだった莉桜ちゃんでしたが、いざ始まるとさすがの一言。そこにいたのは芳子そのもの。抜群の表現力で、「蒲団」のじっとりした空気感を作り上げていました(莉桜ちゃんの芳子になった感想は、本誌インタビューを読んでみて下さい)。
私から見えていた撮影現場は、時永カメラマンが主人公の時雄で、吉田莉桜ちゃんが芳子。イメージした「蒲団」の妄想世界が、そこには広がっていました。これこそ編集者冥利に尽きるというもの!
実際の仕上がりも最高ですので、ぜひぜひ誌面で!紙の質感で見ていただきたいのが、編集としての思いです。10月10日発売です!
CM業界の女優・アイドル・モデルが多数登場する雑誌「CMNOW」。ここでしから見られないCM撮影の裏側やインタビューを掲載する日本で唯一のCMグラビア誌。写真集レベルと評判のハイクオリティな撮り下ろしグラビアなど、写真の見応えも十分。最新号では日向坂46の小坂菜緒さんが表紙を務める。